カリンの宿(花梨客棧)

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熱狂の3days ~ 赤崁龍德宮王船下水試航典禮

先日の山水上帝廟の入火安座大典とともに、廟関連の大きなイベントがあり、赤崁龍德宮では、3日間にわたって王船の試航イベントが行われました。

今回のイベントの経緯と様子についてご紹介いたします。

目次

王船とは?試航とは?

※日本語は下に

赤崁龍德宮將於民國110年舉行送王科儀,預計斥資千萬元,讓駐蹕宮中27年的五位王爺風風光光返回天庭。

民國83年龍德宮主祀的哪吒三太子突然附身乩童降駕,指示村民迎王的時間到來,於是舉行儀式請來「高」、「朱」、「范」、「柴」、「李」五府千歲駐守龍德宮,也興建了一艘出巡專用的千秋寶艦,保佑境內平安。

民國104年五府千歲奉玉皇大帝的指示,必須返回天庭,全村的善男信女都不捨跟這五位王爺20年的情感,於是向玉皇大帝慰留這五位王爺,延後送王日期。

最後,確定送王日期定於明年,村民在送王前舉行王船下水試航典禮,典禮所需要做的科儀分成三天進行。


赤崁龍德宮は民国110年(2021年)に送王(千歲を天に返す儀式)を行います。
予算1000万元を費やし、廟にやってきて27年ともなる5名の千歲(外来の王爺の呼び名)を正式に天に返すのです。

民国83年(1984年)龍德宮の主神である哪吒三太子は突然乩童に降臨し、村人に対して千歲を迎える時が来たと伝えました。
「高、朱、范、柴、李」の5名の千歲に駐留してもらい、かつ巡視専用の王船を作り境内(廟の結界の及ぶ範囲。この場合主に村内があたる)をお守りいただくよう言いました。

つまり王船とは千歲の交通手段と言えます。

民国104年(2015年)、5名の千歲は玉皇大帝(天公。台湾民間信仰で一番上の神)から天に帰ることが必要だとの指示を賜りましたが、村中の人々が20年村をお守りいただいた5名の千歲への情感から、玉皇大帝に千歲に残ってもらえるようお願いし、送王の日程は延期されました。

最終的に、送王の日程が来年(2021年)に決まり、村人達は送王に先立って王船の試航(実際に海を航行する)を行い、その儀式に必要な全ての手順を3日に分けて実施しました。

10月12日(農暦8月26日) ~ 1日目

第一天(農曆8/26)進行神像開光儀式
因為五府千歲的神像放置多年,出現腐壞現象,所以請專業師傅來為神像重整,重整前要先進行「退神」,讓附身於神像的神明分離,等待神像重新塑造新面貌後,進行「開光」儀式,讓神明重新附於神像。


千歲の乗り移った乩童

神像開光儀式
すでに何年も経ち古くなっていた5名の千歲の神像を新しいものに換えるため、職人に新たな神像の製作を依頼し、古い神像から神を出して神像から分離してあります。
そして、今回、開光儀式を行い新しい神像に神を宿します。

そのため、まず乩童に神を降臨させ、一連の儀式の後新しい神像に神を宿します。(開光)

簡単に言えば、以下のようになります。

古い神像→乩童→仮の宿→乩童→新しい神像

10月13日(農暦8月27日) ~ 2日目

第二天(農曆8/27)建船醮小法科儀
王船經過「打船醮」儀式之後,成為神聖之物,也就是讓信徒可以膜拜的對象,打船醮的過程包括:取水、建船醮、祀木龍、安聖母、祭水仙門、三通鼓伏船符,送煞、煮油等等


建船醮小法科儀
今回の試航にあたり王船も新たに整理されました。よって、王船を普通の船から神聖な船にするよう、お供え物や儀式により神にお願いします。

この過程を通して王船は神聖なものとして礼拝の対象となります。
この儀式には以下のようなものが含まれます;
取水、建船醮、祀木龍、安聖母、祭水仙門、三通鼓伏船符、送煞、煮油など

送煞
祭水仙門
三通鼓伏船符
煮油

10月14日(農暦8月28日) ~ 3日目

第三天(農曆8/28)千秋寶艦下水試航
早上開壇請神,讓乩童與五府千歲上船,因為千歲爺從廟中出來後,為了防止邪靈趁機入侵,就關上廟門伏符(貼伏),之後眾人將王船推至港口,用吊車把王船吊起進行下水試航活動,平安回航後,眾人又將王船推回廟前,最後進行「犒軍」,在千秋寶艦前,擺上酒、菜,意思是犒賞、慰勞五府千歲帶來的天兵天將們


千秋寶艦下水試航
朝、神に請い乩童と5名の千歲を船に載せます。
千歲と率いる天兵天将達が廟から出た後、廟は無防備になります。
この機会を狙って邪悪なものが侵入することを防ぐため、門を閉じてお札を貼ります。

その後、人々は王船を港まで押していき、クレーンを使って王船を海に下ろし試航が始まります。

王船の試航が終え、安全に戻ってきた後人々はまた王船を押して廟の前まで行き最後に「犒軍」を行います。これは、千秋寶鑑(王船)の前に酒や料理を並べ、天兵天将達を慰労するという意味があります。

寶島神很大も取材に

今回、台湾の廟の文化を伝える番組、寶島神很大も取材に来ていました。

番組の司会と、王船職人

こちらから当日のLive配信が見られますので、長いですが興味がある方はどうぞ。

来年の送王イベント日程

3日間にわたり盛大に儀式を行った赤崁龍德宮。

送王の日程は来年の10月2日(農暦8月26日)予定となっています。

このイベントは見逃せませんね。

最後に ~ イベントの様子

最後にイベントの様子を紹介して終わりたいと思います。

こういった廟のイベントは理解が難しいものもありますが、もしよかったら概要だけでも知ってもらって、次に実際見に来た時に新たな視点で楽しんでいただけたらと思います。

天兵天将
天兵天将
千歲
先導の船と報馬仔
乩童、千歲、王船職人
炸棗(澎湖揚げ餅)投げ
大量の爆竹で王船を出迎え
八家將
踏涼傘と中壇元帥(哪吒三太子)
木吒二太子