澎湖武轎(ポンフー電飾神輿)
澎湖は観光地としての側面と、離島ならではの閉ざされた世界で代々継承されてきた風習、文化があります。
台湾自体、月二回の拜拜で店の前にお供え物を並べて神様のお金を燃やしている光景や、街中でも爆竹や神輿の練り歩きなどをよく見かけますね。
このように神々への信仰が厚い国だということがよくわかります。
ただ、澎湖は離島であるがゆえに更に厚く深く独特な文化があり、それに離島の緩さが混じって何とも言えない味があります。
その中でも、異才を放っているのが澎湖武轎(ポンフー電飾神輿)です。
目次
武轎とは
日本で言うところの神輿です。
- 詳細の説明
台湾では神轎と呼ばれており、本物の神様が乗っています。
台湾には、武轎と文轎、2種類の神轎があります。
この2つは乗る神様の役職が異なり
・武轎→武将系
・文轎→文官系
が基本となっていますが、廟によりおそらくルールも異なり、現在ではあまり明確な区別はないかと思います。
武轎と文轎で神輿の形状が異なり、武轎は台、文轎は駕籠(箱型)という表現が近いと思います。
どちらも日本の神輿に比べるとそこまで大きくなく、だいたい8~10人で担ぐのが一般的です。
武轎にも種類がある
武轎と言っても、電飾を施されたものとそうでないものがあり、様々な種類があります。
1つの廟で何種類も持っているところや、武轎を使う時は必ず電飾神輿を使うところなど、場所場所で異なります。
繞境と踩街
繞境
いわゆる、地域の神輿の練り歩きです。
地域の安全を守るために、廟が守っている地域内を練り歩いて、平穏無事を祈ります。
繞境は基本的には日中が多いですが、神様が時間を決めるため夜になる場合は電飾武轎が出動する場合もあります。(夜巡遶境)
踩街遊行
澎湖の各地から武轎が街中に集結し練り歩くイベントです。
基本のルートは、県政府広場からメインストリートの中正路を練り歩くルートです。
※花火節の開幕など、シェラトンホテル→県政府→中正路→三官殿のような大掛かりな場合もあります。
これはもちろん澎湖の平穏無事を祈る目的や、観光資源の一つとしても大きな役割を果たしています。
参加する廟はおそらく武轎總會(神輿の会)に加入している廟で、今までの実績では30か所近い廟が参加しています。
参加実績のある廟(2016~)
外垵魯國大夫廟,外垵溫王宮,內垵內塹宮,小門震義宮,後寮威靈宮,赤崁龍德宮,吉貝武聖殿,潭邊東明宮,鼎灣開帝殿,湖東聖帝廟,南寮保寧宮,菓葉聖帝廟,龍門安良廟,尖山顯濟殿,林投鳳凰殿,隘門三聖殿,烏崁靖海宮,興仁懋靈殿,案山北極殿,南甲海靈殿,重光威靈殿,西衛宸威殿,鐵線清水宮,鎖港北極殿,山水上帝廟,嵵裡水仙宮,風櫃溫王殿,七美黃德宮
以上、28か所
武轎紹介
澎湖の離島も含め各地の廟に神轎がありますが、この中でも電飾神輿がある廟は限られています。
これらの電飾神輿の上に乗っているのは普段は廟に祀られている神様です。
毎回、イベントによって乗る神様が少しずつ変わるのも興味深いです。
馬公市
市街地から南側まで幅広く分布しています。
案山北極殿
嵵裡水仙宮
鐵線清水宮
西衛宸威殿
山水上帝廟
鎖港北極殿
風櫃溫王殿
南甲海靈殿
重光威靈殿
興仁懋靈殿
烏崁靖海宮
湖西鄉
澎湖の東側一帯です。
空港も実は湖西に位置します。
菓葉聖帝廟
龍門安良廟
林投鳳凰殿
湖東聖帝殿
尖山顯濟殿
鼎灣開帝殿
潭邊東明宮
隘門三聖殿
南寮保寧宮
白沙鄉
一本目の橋(中正橋)を渡った先の北側一帯と、北の離島です。
後寮威靈宮
赤崁龍德宮
吉貝武聖殿
西嶼鄉
西側に位置する跨海大橋を渡った先の島一帯です。
外垵魯國大夫廟
外垵溫王宮
小門震義宮
內垵內塹宮
七美鄉
澎湖で一番南端の離島の七美島です。